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脳梗塞のチェック方法は?

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基礎知識脳梗塞のチェック方法は?

家族や親族に脳梗塞を患った人がいたり、高血圧や糖尿病などの脳梗塞につながるリスクを抱えている場合、早期発見と脳梗塞発症予防を兼ねて、定期的にセルフチェックを行いましょう。

セルフチェックの重要性

脳梗塞は、前触れもなく突然に起こると思われがちです。しかし、実は、自分でも周囲からもわかりにくい発作が、前兆として起こっていることがあります。どんなに些細な事柄も見逃さずに、病院で検査を受けることが、脳梗塞の早期診断・早期治療につながるのです。そのために準備できるのが、脳梗塞の前触れに関して、予備知識を持っておくことです。予備知識といっても、難しく考える必要はありません。簡単に行える脳梗塞のセルフチェックがありますから、定期的にチェックすればよいのです。

脳梗塞の前触れとして代表的なのが、麻痺やしびれです。顔や腕に症状が出やすいものの、数分でおさまることも多く、勘違いや疲れのせいだと思って見過ごされてしまうことがよくあります。脳梗塞の発見が遅れることが多い原因は、このような前触れを見逃してしまうのことが、問題のひとつです。

脳梗塞の初期症状

脳梗塞の前触れは、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる初期症状です。脳内で一時的に血流が悪くなり、血栓ができてしまうと、一過性脳虚血発作が起こります。症状は。通常2分~30分で、時間がかかっても24時間以内には改善します。症状が一時的なのは、血栓が溶けるなどで、すぐ血流が再び正常に戻るからです。ただし、初期症状を放置しておくと、48時間以内あるいは3ヶ月以内に脳梗塞を発症してしまう可能性があります。以下に、一過性脳虚血発作の症状例をあげておきましょう。

・ろれつがまわらなくなる
・思うように、言葉が出てこなくなる
・口がポカンと開いてしまう
・顔面まひのように、顔が歪んでしまう
・片方の手足がしびれたり、力が入らなくなったりする
・片方の目が見えにくくなる
・視野が狭まってくる
・目のピントが合いにくくなる
・物がダブって見える
・他人がしゃべることを理解しにくくなる
・文字を書きにくくなる

特に注意しておきたいのは、体の片側に麻痺やしびれ、歪みなどが出てくる症状です。脳梗塞に発展する可能性が高いため、すぐに病院で相談するようにしましょう。

一過性脳虚血発作のチェック方法には、FASTと呼ばれる標語が知られています。Face(顔)、Arm(腕)、Speech(言葉)、Time(時間)という、一過性脳虚血発作の4つのキーワードから頭文字を取った造語です。FASTチェックのうち、FASの1つでも当てはまれば、救急車(Time)を呼ぶようにと推奨されています。以下に紹介しますので、予備知識として覚えておきましょう。

・Face(顔):顔の麻痺のチェック

口を「イーッ!」と思い切り横に広げて、口角を上げ、笑顔を作ってみましょう。片側の口角が上がっていなければ、一過性脳虚血発作の可能性があります。

・Arm(腕):腕の麻痺やしびれのチェック

両腕を前方に、手のひらを上にした状態でまっすぐ伸ばしたら、肩の高さまで上げてください。目をつぶって30秒数えながら、両腕を上げた状態をキープしましょう。どちらか片方の腕が下がってきたら、一過性脳虚血発作の可能性があります。

・Speech(言葉):言葉に異常がないかチェックする

ごく単純な、短い文章を声に出してみましょう。例えば、「朝、起きて、顔を洗った」など、簡単な文章なら何でもかまいません。単純な文章でありながら、言葉が詰まる、内容が合っていない、ろれつがまわらないなどの症状がみられた場合は、注意してください。

・Time(時間):すぐに救急車を呼ぶタイミング

FASのいずれか1つでも当てはまったら、すぐに病院を受診する、または救急車を呼びましょう。躊躇せずに行動することで、脳梗塞の早期発見・早期治療に間に合います。

脳梗塞のチェック方法

セルフチェックで脳梗塞を事前に予知するには、FAST以外にも方法があります。ここでは、さらに6つのセルフチェック方法を紹介しましょう。

・ぐるぐるなぞりチェック

紙とペンがあれば、30秒以内に行えるセルフチェック法です。まず、紙に黒ペンで、5ミリくらいの間隔のぐるぐる渦巻きを5周描いてください。今度は赤ペンに持ち替えて、黒ペンで描いたぐるぐる渦巻きの間をなぞっていきます。黒で描いた線には触れないようにすることがポイントで、時間制限は10秒です。

このチェックでわかるのは、総合的な脳神経の状態です。例えば、黒い線と赤い線が、2ヶ所以上接触してしまった場合は、大脳基底核や小脳に異変が起きている可能性があります。ぐるぐるなぞりチェックを行うことで、集中力や運動神経、視神経がきたえられ、脳神経の働きが改善される期待も得られるでしょう。

・耳と鼻つまみチェック

左手で鼻先をつまみ、右手で左耳たぶをつまんでください。次に、右手で鼻先をつまみ、左手で右耳たぶをつまみましょう。この動作を10続けたときに、手がもたついたり止まってしまったりする場合は、隠れ脳梗塞の可能性があります。

・水の移し替えチェック

コップからコップへと水を移し替えることで、隠れ脳梗塞かどうかのセルフチェックができます。 用意するものは、同じ形のコップ2つです。片方のコップに水をいっぱいに入れたら、空のほうのコップも持って水を移し替えてください。全ての水を移し替えたら、また空になったほうのコップに水を移し替えましょう。これを5~6回繰り返して、はじめに入れておいた水の量の1割ほどしか残らなかったなら、隠れ脳梗塞の可能性があります。

・バランスチェック

バランス感覚を無理なくとれるということは、脳の正常な働きにも関係しています。隠れ脳梗塞のセルフチェックをするときに役立つのが、バランスチェックです。まず、かかとと爪先をピタッと揃えて立ったら、両手を水平にして広げてください。そのまま、目を閉じて10秒間キープしましょう。10秒間のキープができない場合は、隠れ脳梗塞の可能性があります。

・目隠し足踏みチェック

まっすぐに立ったら、立ち位置に目印をつけておきます。目をつむって、太ももを上げて50回足踏みをしてください。その際、腕を振るのも忘れずに。足踏みが終わったら目を開いて、スタートしたときの地点からどのくらい離れているかをチェックしましょう。45度以上、75cm以上離れていたら、隠れ脳梗塞の可能性があります。

・人差し指合わせ

目を閉じて、両腕を水平に持ち上げたら、肩のラインで人差し指をまっすぐに伸ばしてください。次に両手を内側に曲げて、左右の人差し指を胸の前で合わせましょう。ピタッと人差し指がくっついたら、目を開けてください。指と指の距離が5cm以上開いていた場合は、隠れ脳梗塞の可能性があります。

血液検査による方法

より確実性の高い方法として、血液検査で脳梗塞をチェックする方法があります。検査では、脳梗塞患者の血中に増加する細胞障害物質アクロレインと、2種類の炎症マーカーの血中濃度を利用します。隠れ脳梗塞である無症候性脳梗塞を判別し、ローリスク・境界例・ハイリスクと三段階における脳梗塞のリスクを診断するのです。実施施設は限られているものの、精度は85%以上といわれる検査だけに、定期的に検査を受けておけば、脳梗塞を未然に防ぐことにもつながります。

病院でのチェック

病院で脳梗塞が疑われるようであれば、各種検査によって、どの種類の脳梗塞なのか、また脳のどの部分に異常があるのかを調べていきます。

・画像検査

画像検査には、CT検査やMRI検査、MRA検査、脳血管造影検査があります。脳を輪切りにした状態を見るCT検査、磁力や電波で脳内の状態を様々な角度から見るMRI検査とMRA検査、血管に造影剤を入れてエックス線撮影を行い、脳内の細い血管まで調べる脳血管造影検査など、状態などに応じて適切な検査が選ばれます。

・その他の検査

その他にも、超音波を用いるエコー検査や放射性の薬を体内に入れて調べるSPECT検査とPET検査、腰椎穿刺などの検査があります。腰椎穿刺は、脊髄腔から注射針で脳脊髄液を採取して調べる検査です。

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