よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞による後遺症と再発への不安に対するストレス対策

脳梗塞はストレスによって発症することも

脳梗塞による後遺症の症状を抱えていると、本人にとっては大きなストレスとなります。さらに、脳梗塞を一度発症すると、再発するリスクが非常に高いと言われているため、再発への不安もストレスの要因です。ですが、脳梗塞はストレスが原因で発症することもあるため、上手にストレス対策をすることが、再発の予防にもつながります。

再発する恐怖がストレスになる

脳梗塞を発症した後にストレスを感じる方が多い理由として、難なくできていたことが後遺症によってできなくなることと、脳梗塞の再発に対する不安が主なものです。脳梗塞発症後の再発率は、発症後5年間で約20~30%だと言われていて、再発すると後遺症が酷くなることも多いと言われています。本人にとって、後遺症や再発に対するストレスはかなり大きく、肉体的、精神的な影響を及ぼすこともあります。(※1)

ストレスによる不眠

後遺症や再発の不安などでストレスを抱えると、不眠症を発症してしまうケースが多く見られます。これは、ストレスが脳内でニューロンを活性化させることで、脳が興奮状態になるためです。
ニューロンは自律神経を構成している物質です。自律神経は、リラックス作用のある副交感神経と活動を司る交感神経のバランスによって成り立っています。ニューロンの活性化によって交感神経が優位になってしまうと、身体をリラックスさせることができなくなります。脳や身体が常に起きている状態になるため、不眠症へとつながるのです。

情緒不安定になる

ストレスによって交感神経が優位になると、気持ちが落ち着かず、情緒不安定な状態となります。交感神経は不安や怒りなどの感情を担っている自律神経です。ストレスがさらなるストレスや不安を呼ぶ、という悪循環に陥る可能性もあります。自律神経の乱れが大きくなると、自律神経失調症などの精神疾患にもつながります。

(※1)たかせクリニック『脳卒中予防のウソとホント』

過度のストレスが再発につながる可能性も

ストレスを感じることが、高血圧の原因になることはよく知られています。その理由としては次のような現象が起きるからだと言われています。

  • カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の上昇
  • コルチゾール量の上昇
  • 交感神経の活性化
  • 血清脂質量の増加

これらは全て高血圧を引き起こす原因だと言われています。なかでも血清脂質量の増加は、脳梗塞の直接的な再発要因となります。血清脂質が増えることで、血液中のコレステロール量が増加します。ストレスは、脳梗塞を再発させる原因である動脈硬化を引き起こす可能性があると考えられます。

ストレスへの対処法

脳梗塞発症後のストレスは再発のリスクも上昇させてしまうため、再発予防には「いかに上手にストレス対策を行っていくか」ということが大切でしょう。ストレス対策法は人それぞれではありますが、効果的な方法を5つ紹介していきます。

  • 友人や家族とのコミュニケーション
    周囲の人と話をするだけで、溜まったストレスが一気に解消する、ということも珍しくはありません。不安感や自分の想いを聞いてもらうこともよいのですが、何気ない会話をすることでも、十分ストレス対策として効果的です。
  • 腹式呼吸
    横隔膜の呼吸である「腹式呼吸」をすると、副交感神経が優位になり、ストレスによって活性化された交感神経の働きが抑えられると報告されています。腹式呼吸は、背筋を伸ばした状態で、へそのあたりに空気を溜めこむようにして、鼻から息を吸い込みます。そして、空気を溜めこんだお腹を凹ますようにして、ゆっくりと口から息を吐きます。息を吐くときには、吸うときの倍程度の時間をかけるようにして吐ききってください。
  • 音楽療法
    鎮静作用のある音楽を聴くことで、交感神経の働きを抑えることができます。音楽を聴いた後は、呼吸数や心拍数も低下し、心身共にリラックス状態になれるでしょう。心地よいと感じる音楽や音量を探り、ストレス対策として用いてみてください。なかでも、リラクゼーション用のCDなどは高い効果を期待できます。
  • アロマテラピー
    アロマテラピーは、植物から抽出したエッセンシャルオイルを利用して、その香りによる効能を得るものです。医療用として用いられているものもあるので、ストレス対策としても有効です。リラクゼーション効果のあるオイルは、ラベンダー、カモミール・ローマン、スイートオレンジ、ベルガモット、サンダルウッド、ベチパーなどです。
  • 精神安定剤
    精神安定剤というと、精神的な病を抱えた方が服用する、というイメージがあるかもしれません。ですが、脳梗塞を発症した後には比較的多く用いられ、ストレスや不安を解消するための有効な方法です。効果は、鎮静作用と筋弛緩作用があり、神経や筋肉の緊張をほぐし、不安感を和らげます。精神安定剤は薬局などでは入手できません。担当の医師に相談して、処方してもらってください。

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