よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の後遺症である高次脳機能障害に対する生活訓練プログラム

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

高次脳機能障害の方への生活訓練プログラム

脳梗塞の後遺症である高次脳機能障害は、失語や失行、失認などの症状を示す障害です。リハビリテーションセンターで行われている「生活訓練プログラム」を利用することで、これらの後遺症症状を改善できる可能性があります。

生活訓練プログラムとは

生活訓練プログラムは、障害者自立支援法に基づいて行われる訓練で、生活訓練や機能訓練、就労移行支援などが中心です。生活訓練プログラムでは、利用者一人一人に対して個別支援計画書が作成され、移動や家事、コミュニケーションなどの指導が行われます。個別支援計画書は3ヵ月ごとに見直され、そのときに設定された目標を達成することで、高次脳機能障害の改善を目指します。

生活訓練を行う目的

生活訓練は、高次脳機能障害の症状を抱えた方の、生活の質を高めるためのものです。また、訓練を受けることによって、高次脳機能障害に対する理解を高めると共に、自立した生活を送るための支援や、より積極的に社会参加をするための支援をすることが目的となります。

生活訓練による効果

生活訓練を行うことによって、スケジュールや金銭、服薬の管理が出来るようになり、日課の遂行を促します。また、外出や買い物、公共交通機関の利用など、社会と関わる上で必要な技能を習得することもできるでしょう。そして、就労や社会参加に必要となる対人技能を向上させる訓練もあるため、生活に関するスキル全般を底上げすることが可能です。

生活リズムを整えるための訓練

脳梗塞の発症と後遺症の影響によって、生活のリズムが崩れて昼夜逆転の生活になる方、長時間ベッドで過ごすようになる方は少なくありません。また、高次脳機能障害の症状として、意欲の低下などが見られるため、自ら生活のリズムを正して、生活を改善することが難しくなる場合もあります。

そのような状況の方に対して、正しい時間帯に活動できるように支援を行い、日中に活動ができるように働きかけます。生活リズムを確立させることで、日課を行うことができるようになり、対人関係の改善を図ることも可能となる場合もあります。また、スケジュールを提示するため、自ら日課を作成することが難しい方でも、活動しやすい状況を作り出します。

具体的な支援方法としては、1日のスケジュールに沿って生活が行えているかの確認、声掛け、誘導です。これらの指導は施設に入所、もしくは通所している状態で行われるため、自然と生活リズムが安定してくる方も多く見られます。

生活を管理する能力を高める訓練

生活管理能力については、日課と服薬、金銭管理の3つを管理を促すことによって、日常生活の改善を行います。

日課の管理

スケジュール表や案内を掲示することによって、自ら日課を遂行できるように支援します。訓練が始まる前には全員で打ち合わせを行い、その日の予定を確認することによって、日課への意識付けが可能です。さらに、訓練終了時にも全員で集まり、1日の活動を振り返ることによって、その日の活動の記憶付けや、日課を行うために必要なことを再確認します。

服薬の管理

最初は1回分の薬を渡すことから始まりますが、段階的に1日分の薬を渡して、その日の服薬管理を出来るようにします。1日の服薬管理ができるようになったら、次は1週間分をまとめて渡して、1週間分の服薬管理ができることを目指します。服薬管理をスムーズにするために、薬を分けて入れておくことができる、ポケットケースやボックスを利用します。

金銭の管理

金銭管理は生活を行うために欠かせないものですが、所持金全てを使ってしまう方も見受けられます。計画的に金銭を取り扱えるようにするために、一定の金額を渡し、小遣い帳での管理によって、金銭管理の感覚を養う訓練です。

社会の中での生活技能を高める訓練

社会の中で生活を行う能力の向上を目指します。具体的には、買い物に行くこと、移動を行うこと、公共交通機関を利用することなどです。社会生活技能の欠如は、高次脳機能障害と身体的な後遺症の両面から生じる場合があるため、両方の側面から訓練を行います。

訓練内容としては、実際に外出する演習や、建物を利用した生活体験の演習などです。実際に外出する場面が想定される場合は、実際にその場所に行って演習を行います。また、外出中にはスケジュール通りにならないこともあるため、そのような状況でも的確な判断ができるようにします。

対人技能を高める訓練

訓練は施設の中で、集団によって行われるため、人とのコミュニケーションを通して、対人技能の習得をすることも可能です。訓練はグループで行うプログラムや、役割の分担、意見交換などによって行われ、万が一トラブルが起こった際には、客観的に見つめた上で問題を説明して、改善点を探ります。グループプログラムの内容は様々で、福祉についての学習、外出計画を達成する、新聞を作るなどの目標に沿って行われます。それらの目標を達成する中で、メンバーとの関りを持ち、スムーズな対人関係を築くことができるように支援します。

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