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脳梗塞の後遺症で高次脳機能障害がある方への職能訓練プログラム

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

高次脳機能障害が残った方への職能訓練プログラム

脳梗塞による後遺症として、高次脳機能障害がある方への訓練プログラムは、リハビリテーションプログラム、生活訓練プログラム、そして、職能訓練プログラムの3つで構成されています。後遺症を抱えていても就労できるよう、訓練と支援を行うのが職能訓練プログラムです。

職能訓練プログラムとは

職能訓練プログラムとは、職業につくために必要な訓練を行うもので、「準備訓練」と「職業訓練」の2つが含まれています。就労のために必要な技能を学ぶだけではなく、本人に適した職業を明らかにした上で、就労できるように支援を行い、社会の中で働けるように全般的なサポートを行います。

職能訓練プログラムの目的

プログラムの目的は、仕事をするための課題を明確にすること、後遺症による苦手分野を明らかにして代わりの手段を獲得すること、適切な職業を見つけて就労できるようにすること、この3つです。高次脳機能障害では、外見的には障害が少なく見えるものの、仕事のミスが多いという面があるため、実際にできる仕事を明確にして、苦手とする部分の補填を行うことが重要になります。

職能訓練プログラムの流れ

職能訓練が行われるタイミングとしては、生活訓練が終わった後であるのが一般的です。職能訓練では、「職業リハビリテーション計画」を作成し、その計画に基づいて評価を行い、目標や訓練期間を定めます。そして、職能訓練が終わったのち、就労支援によって実際に就労します。

また、急性期リハビリの中で、職能訓練を行うための訓練が行われる場合も多いでしょう。職能訓練を始める時期は人によって異なり、早ければ急性期に病院内で行われることもあります。実際に就労支援を行うときには、本人が就労に対して意欲があり、就労するために必要な訓練を終わらせていることが理想です。

職業準備訓練とは

職業準備訓練は、模擬的な職場内で就労を意識して行われるもので、その訓練の中で能力の評価や、能力の開発を行うことが目的です。高次脳機能障害の症状が残っている方は、記憶力、注意力、判断力、業務遂行能力が低下していることもあり、就労に困難を抱えているケースもあります。職業準備訓練において、自身の能力が活かせる業務は一体何なのか、ということを明らかにさせることができるでしょう。

模擬的な就労を行う中で、本人の得意分野と苦手分野を明らかにして、本人の職業に関する意識を確認します。その後、訓練によって、実際の作業能力と適応能力の見極めを行った上で、能力の改善と補填を行います。訓練を行う中で、具体的にどのような形で就労するのか、そのイメージを確立させることが主な内容です。また、高次脳機能障害では、対人関係にトラブルを抱えることも多いため、対人面の問題についての指導も行われます。

職業訓練の内容

職業訓練では、実際に作業を行う上で必要な技能を習得します。簡易事務、電子部品組み立て作業、OA機器操作実習、簿記や会計などの訓練を行い、必要な技能を身につけられるように支援を行います。これらのカリキュラムは、一人一人の特性に合わせて作成されるため、実際には訓練内容が異なる場合があります。

また、職業訓練において「パソコンの技能を習得したい」という方は多く見られますが、高次脳機能障害の障害特性として、苦手な操作を要求されることが多いと言われています。そのため、パソコンの技能を習得したとしても、実際の就労では利用できない可能性もあり、注意が必要です。パソコンに限らず、コンピュータ関連全般の操作について、苦手な部分がある場合が多いでしょう。

就労支援の内容

職業訓練が終了したら、実際に社会の中で就労するための支援へと進みます。高次脳機能障害の症状がある方が就労するには、4種類のパターンが存在します。通常通り会社内で働く「一般雇用」、自宅で作業を行う「在宅就労」、特別な条件の下で雇用される「保護雇用」、福祉施設などで就労する「福祉的就労」です。就労支援では、このような就労形態に関わらず、就労できることを目指します。支援の内容は、今まで勤務していた会社に復職する場合と、新しい就労先を探す場合とで大きく異なります。

勤務していた会社に復職する場合

復職する場合は、作業を遂行できる能力や就労意欲があるか評価し、職場の環境や復職についての情報を収集します。配置替えの可能性や休職期間中の手当てについて、職場実習の可否についても確認を行います。さらに、職場に復職の意向を伝えて、職場実習を行ったのち、復職とアフターフォローへとつなげます。

新しく就労先を探す場合

一方、新しい就労先を探す場合には、ハローワークでの求職登録や職業相談会への参加、インターネットによる求職活動などが主となります。また、事業所体験実習に参加することで、正式採用になるケースもあるため、このような実習にも積極的に参加したいものです。もし、就労が難しい場合には、福祉的就労から始めて、後々一般就労を目指す方法もあります。

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