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脳梗塞のリハビリ機器IVESによる「HANDS療法」

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

片麻痺を改善させるリハビリプログラム「HANDS療法」

脳梗塞等による片麻痺のリハビリ法として、IVESという機器を使ったHANDS療法と呼ばれるプログラムが注目されています。HANDS療法の特徴や効果、体験談などを見ていきましょう。

IVESを使ったHANDS療法とは

HANDS療法とは、慶応技術大学医学部、および同大学理工学部が共同で開発した片麻痺用のリハビリプログラムのこと。脳卒中などによって麻痺した片麻痺を起こした側の手・腕の機能回復を目指します。このリハビリプログラムで使用される機器がIVES(アイヴィス)です。

人は筋肉を動かす際、脳から筋肉に電気信号で動作命令を出します。片麻痺とは、この電気信号が微弱なため動作指令がしっかりと伝わらない状態のこと。同大学が開発したIVESは、脳からわずかに送られる電気信号を拾い、その信号を手・腕にしっかりと伝えることで、機能不全となった手・腕を動かします。1日8時間の訓練を3週間継続することが前提で、その後は自宅でも続けてリハビリを行います。
軽度~中度のみならず、重度の片麻痺にも改善効果があるとして期待されています。

なお、同プログラムはまだ国内に広く普及しているわけではありませんが、同大学病院内においては多くの患者さんにおいて著しい改善効果が確認されています。ますますの臨床成果、および確実なエビデンス(学術的根拠)が望まれる最新のリハビリプログラムです。

HANDS療法の効果

IVESを使ったHANDS療法の効果については、この治療法を開発した慶応技術大学病院において多く確認されています。同病院が開設している公式サイトを参照し、HANDS療法の効果を紹介します。

同病院ではこれまで多くの患者さんがIVESによるHANDS療法を受けてきました。その結果、同病院のプログラムに沿って3週間ほどリハビリを続けた患者さんの多くに、麻痺手の運動機能の改善が見られました。改善の程度には個人差が見られ、中にはほとんど改善が見られなかった方もいたようですが、医学的には「有意な」改善と同病院は報告しています。
具体的に様々な改善が見られているのですが、たとえばリハビリ開始前には麻痺手で「本のページをめくる」「湯呑を口元へ運ぶ」といった動作がほとんどできなかった患者さん30名のうち、半数以上の方がこれらの動作をできるようになりました。治療から3ヶ月後においても、これらの動作能力は維持されています。

これまで、脳卒中等による片麻痺側の機能回復については、「症状が軽度~中度であれば回復の見込みはある」といった見解にエビデンス(学術的根拠)が与えられていました。しかしながら、慶応大学病院が開発したHANDS療法によって、今、このエビデンスが覆されようとしています。つまり、重度の片麻痺(目で見たときに動いていることが確認できない状態)であっても回復の見込みがあることをHANDS療法が実現しつつあります。新たなエビデンスが確立される可能性が拓けてきました。

家族ができること

IVESを使ったHANDS療法は、リハビリ開始直後は病院にて指定のプログラムを実施してもらいます。1日8時間、3週間にわたるプログラムです。その後、回復した機能を維持するために、自宅でのリハビリを継続します。ご家族においては、自宅リハビリを継続させるための環境作り、ご本人のモチベーション維持への協力等を行なうと良いでしょう。機能回復を家族が共に喜ぶことこそ、ご本人にとっては一番のモチベーションになります。

HANDS療法経験者の体験談

30代男性です。今から2年ほど前のこと、仕事から帰って自分の部屋でくつろいでいたところ、突如、右手が動かなくなりました。尋常ではないと思い妻に救急車を呼んでもらい、病院で診断したところ脳内出血を発症していたことが判明。幸い手術はしなくて済んだのですが、そのまま入院して急性期のリハビリに入りました。サッカーで身体を鍛えてきたこともあり、歩行に関しては自力で歩けるまで回復。しかしながら、麻痺を負った右手はまったく動きませんでした。主治医からも回復は難しいと伝えられました。ただ、まだ30代ということもあり妻も子供もいる身。なんとかして元の生活に戻りたいと、理学療法士から教えられたIVESを実践してみることにしました。初めてIVESを体験したときは、機械の力を借りているとは言え、久しぶりに動いた右手に感動。IVESを使ったリハビリにどんどんやる気が湧いてきました。現在では主治医の先生を通じてIVESの子機を購入。自宅でもリハビリを続けていますが、IVESを使って右手の関節を伸ばせるまでに回復しました。仕事への復帰も少しずつ実現しています。焦らず、前向きに今後もリハビリを続けて行きたいと思います。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

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