よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

運動を取り入れたリハビリ

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

運動を取り入れたリハビリの方法

脳梗塞のリハビリ方法の一つとして運動を取り入れることは、体のみならず精神的にも健康効果をもたらします。ここでは運動を利用したリハビリを紹介しますので、患者ご本人はもとより介助者の方もぜひ参考にしてみてください。

関節をやわらかくするリハビリは継続的に行なう

脳梗塞の後遺症を残した側の関節は、そのまま放置すると筋肉が縮んで動きにくくなってしまいます。そこで、関節をやわらかく維持するために3つのリハビリが行われます。

1つ目が自動運動。患者本人の意志によって関節を動かすリハビリです。2つ目が他動運動。他者によって関節を動かしてもらうリハビリです。3つ目が自動介助運動。他者に介助してもらいながら自分の意志で関節を動かすリハビリです。

いずれの方法も、基本は「ゆっくりやる」ということ。素早くやるとストレッチ効果が薄れ、むしろ逆効果にもなりかねません。また、患者本人が痛みを訴えたら、無理にリハビリを続けることは避けてください。関節を損傷させる恐れがあるからです。各種リハビリによって身体機能が向上してきたとしても、関節をやわらかくするリハビリは継続的に行なうようにしましょう。

 

まずはベッドに座ることを目標にする

後遺症の影響で寝たきりの状態になると、やがて心身の機能全般が低下する廃用症候群に陥ってしまう恐れがあります。なるべく寝たきりになることを避けるためには、まずベッドで寝返りを打つ訓練、さらにベッドに座る訓練を行ないましょう。最終的な目標は、患者本人の力による座位確保。患者本人の力による車椅子への移乗までできるようになれば、QOL生活の質は著しく向上します。ただし、最初はあまり無理な訓練をしないようにしてください。思わぬリスクを回避するためにも、しばらくの間は介助のもとでの訓練を重ねるようにしましょう。

自力で起き上がることが自立の土台になる

患者本人の自立の前提は、ベッドから離れることです。そして、ベッドから離れるためには、最終的には介助なしでもベッドで起き上がれるようにならなければなりません。リハビリ初期の段階では、患者本人にケガのないよう、介助者による基本動作にのっとって、寝返りから起き上がりの練習までを行ないます。やがて自力で寝返りが打てるようになったら、麻痺のない側の手とヒジを上手に使い、起き上がる訓練をしてみましょう。なお、筋肉が衰えた状態で無理に自力のリハビリをすることは危険です。介助者による寝返り、起き上がりなどの訓練の過程で、腹筋なども含めた体全体の筋肉を鍛えていきましょう。

ベッド横に立ち上がってみる

自力で起き上がりができたり、自力で車椅子への移乗ができたりする人は、すでに腕や腹筋の筋肉が強くなっています。無理をしない程度に、今度はベッドの横に立ち上がる訓練をしてみると良いでしょう。立ち上がるための訓練にはいくつかの方法がありますが、代表的な方法は介助者が患者の正面に位置して立ち上がりを介助するやり方。ベッドに座った状態の患者の正面に介助者が立ち、患者には前かがみになってもらいます。すると患者のお尻の重心が自然に足へと移動し、立ち上がりやすくなります。この際、介助は患者の両腕を支える程度にとどめ、無理に引っ張ったり押したりしないようにしてください。患者本人のペース、患者本人の力加減を最優先して立ち上がりの訓練を行なっていきましょう。

歩行リハビリは積極的に行なう

すでに杖や手すりを利用すれば自力歩行できる人は、積極的にどんどん歩く練習をしましょう。歩けば歩くほど筋力が強化されて行動範囲が広がり、心身ともに健康になっていきます。自力歩行が難しい場合でも、介助者が正面に立って行なう「手つなぎ歩行」や「肩抱き歩行」が可能であれば、体力的に無理のない程度に歩行を行なってください。歩行リハビリを行なう際のポイントは、歩行時の姿勢です。患者は足に意識が行くため猫背になる傾向がありますが、この猫背の姿勢がスムーズな歩行の妨げとなります。背筋を伸ばし、数メートル先を見て歩行するよう介助者は患者に促してください。

テレビを楽しみながらでもリハビリはできる

いざ気構えて行なう大掛かりなリハビリは、もちろん身体機能の回復には非常に有効です。しかしながら、患者本人にとってみれば、こうしたリハビリが体への大きな負担であるという面もあります。そこで、より気軽に行なえるリハビリとして、テレビを見ながらの関節リハビリをおすすめします。テーブルに両手を置き、麻痺のない側の手で、麻痺のある側の手の関節を伸縮させるだけ。指関節や手首の関節を伸ばしたり、ヒジを伸ばしたりするだけでも、関節の拘縮予防にはとても効果的です。テレビを楽しみながら簡単にできるリハビリなので習慣化しやすく、長続きもするでしょう。ぜひ試してみてください。

車椅子に乗っている時もリハビリをしてみましょう

車椅子に座りながらでも、自分でリハビリをすることができます。まずは、車椅子の背もたれから背中を離す練習をしてみましょう。背筋を伸ばして90°の角度で座れば、自然に背もたれから背中が離れます。この姿勢を維持するだけでも、やがては腹筋などの体幹筋肉が鍛えられ、他のリハビリにも好影響を与えるでしょう。無理なく背もたれから背中を離せるようになったら、今度は前かがみになって下を見る練習をしてみてください。より筋肉が鍛えられます。また、麻痺のない側の足に麻痺のある側の足を乗せ、そのまま両足を宙に持ち上げる方法も有効。少々大変なリハビリですが、繰り返すことで足腰からお腹にかけての筋肉が著しく鍛えられます。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

【体験談】「自分が脳梗塞になるとは思ってなかった…」
元プロ野球選手の柏原純一さんが脳梗塞から立ち直るまで >>

関連記事

当サイトについて

当サイトは、「よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi」編集部が管理・運営する情報サイトです。脳梗塞の方やそのご家族に向け、お役立ちできる情報をできる限り分かりやすくまとめております。掲載コンテンツは、信憑性の高い情報を元にオリジナルの記事を掲載しております。
また、当サイトのご活用に関しましては自己責任のうえ、当サイトでは責任を負いかねますことをご了承ください。

よくわかる脳梗塞の予防・治療Naviについて

今日からはじめよう!脳梗塞の再発予防
Symptoms 知っておきたい脳梗塞の種類とその症状
Diseases 脳梗塞と深い関係のあるさまざまな病気