よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の手に関するリハビリ

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

脳梗塞による後遺症…手のリハビリ

脳梗塞の後遺症である手の麻痺は、足の麻痺よりも回復率が悪いと言われています。ですが、効果的なリハビリを積極的に行うことで、回復も期待できるため、リハビリを欠かさないことが大切です。

手の麻痺は症状の重さによって3段階に分けられる

脳梗塞の後遺症として多い手の麻痺は、症状の重さによって軽度・中等度・重度の3段階に分けられます。その段階によって回復にかかる期間や必要なリハビリも変わってきますが、全体的に脚の麻痺より手の麻痺の方が治りにくいと言われます。

機能が発症前と同様に回復する確率は4~9%と言われていますが、部分的な回復も望めますし、症状が軽ければ回復する確率はぐんと高くなるため、早めにリハビリを始まることが大切です。

手の麻痺が軽度の場合―完全回復の可能性も

軽度の麻痺は、日常動作を行う上で緻密性に欠ける、速度が遅くなるなどの障害があるレベルです。手の麻痺が軽度であった場合は、脳梗塞発症後1週間程度で日常生活に支障がないレベルまで回復するかどうかの判断をすることができます。軽度であればリハビリや訓練を行うことで完全に回復する可能性が高いと言われているので、可能な限り早めに訓練を開始することが大切です。

訓練としては、急性期からすぐに歩行訓練や動作訓練が行われますが、麻痺を回復させるには発症から2~3か月くらいまでがピークとなります。そのため、この期間中にどれだけ改善させられるかがポイントです。

手の麻痺は症状によってリハビリ法も異なる

脳梗塞後に手に麻痺が残っても、その症状は様々で、症状によってリハビリ法も異なります。手の指を握りこんでしまう場合は、高反発クッションでできたグリップを握りこむリハビリを、さらに関節がこわばっていて指が動かない場合は、関節をほぐすリハビリも同時に行います。その他、むくみや筋弛緩で動かないこともあるため、まずご自身の症状を見極めることが大切でしょう。

手の指を握りこんでしまう場合のリハビリ法

麻痺している手の指を握りこんでしまっている場合は、「ミラクルグリップ」と呼ばれるグリップを、時間があるときに握るようにすることが効果的です。ミラクルグリップは脳梗塞後の後遺症を改善するリハビリのためのもので、高反発クッションでできています。これを握るリハビリを続けたことによって、手の指の拘縮や言語障害が改善したという報告もあり、比較的短期間で効果を期待することが可能です。ただし、スポンジやゴムなど、高反発クッション以外でできたグリップを使用すると、反対に指がこわばってきて逆効果になる恐れもあります。その他、指のマッサージやストレッチも同時に行ってください。

手の指を握りこんで関節がこわばっている場合のリハビリ法

麻痺している手の指を握りこんでいて、しかも関節が固まって指を伸ばすことができない場合は、まず硬くなった関節をほぐしていかなければいけません。動く方の指で麻痺している指の関節をほぐしますが、指の曲げ伸ばしをするように少しずつ揺らす方法が効果的です。また、指を握りこんでいる方の反対側にゆっくりと反らせるの方法もおすすめです。急に反らせるとこわばりが強くなる可能性もあるため、できるだけゆっくりと行ってください。

この方法で徐々に関節がほぐれてきたら、次は上の項目でご紹介したように、ミラクルグリップを使って指の握りこみを解消していきます。

指が開いたまま関節がこわばっている場合のリハビリ法

麻痺している手の指が開いたままの状態であるのは、弛緩性麻痺という種類の麻痺を引き起こしているせいです。弛緩性麻痺は80歳以上の方に多く現れる症状で、改善のためには指の筋肉が正常に動くように神経ネットワークを再構築していかなければなりません。

具体的には麻痺している指を反対側の手で屈伸させるリハビリを行います。ですが、この場合は関節のこわばりも起きているので、まず関節のこわばりを解消する必要があります。関節のこわばりは、反対の指で揺らすように曲げ伸ばしをすることが効果的です。このリハビリで関節のこわばりがなくなったら、指の屈伸運動に移ります。

指が開いたままで自力で動かせる場合のリハビリ法

自力で指を動かせるようであれば、指が開いたままであっても麻痺の程度は軽度です。指が開いたままになる原因として考えられることは、むくみなどで関節がこわばっていることなどです。この場合むくみと関節のこわばりを解消することが大切で、指のこわばりは上でご紹介しているように反対側の指で揺らすように指を曲げ伸ばしさせるリハビリが有効です。

脳梗塞で麻痺が残ると、むくみがひどい方はとても多く見られます。むくみは筋肉を動かさないことが一因にもなっているので、関節のこわばりを解消するリハビリはむくみにも効果的でしょう。指を動かすことで筋肉が使用され、血流も改善されます。

手の麻痺を改善するにはグッズの併用が効果的

手の麻痺を改善させるためのリハビリは、麻痺改善に効果的なグッズを使用することで、より効率的に行うことができます。自宅で時間があるときに、手軽に使うことができる麻痺改善グッズはたくさん存在しているので、上でご紹介した症状別のリハビリ法との併用がおすすめです。こちらでは、指先の機能を高めながら、脳機能の改善も目指せるグッズをご紹介します。

握力強化から指の機能改善までいろいろ使えるエッグボール

エッグボールはスウェーデンで作られた商品で、その名の通り卵型のボールです。エッグボールは、手の感覚が鈍っていても、適度な弾力があって落とさずに握れます。硬さと大きさはそれぞれ3種類ずつ用意されているので、ご自身の麻痺の程度や手の大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。握って握力を鍛えたり、指先でつまんで指の感覚を鍛えたり、掌で転がして指の緻密性を高めたりと使い方は様々です。

ルービックキューブで指先の機能&脳機能改善

ルービックキューブが手のリハビリに効果的な点は、必ず両手を使わないといけないことです。手に麻痺が残った人は、無意識の内に麻痺していない方の手で用事を済ませてしまいまが、ルービックキューブは両方の手を使わなければいけません。さらに、細かい指先の動きや、指先に力を入れることが要求され、リハビリには最適なゲームだと言えるでしょう。また、脳を使うゲームでもあるため、脳機能を回復させるためにも有用です。

指先の動きと手を動かす訓練ができるパズル

手が麻痺している人は手をうまく動かすことができず、手を持っていこうとしていたところとは別の場所に動かしてしまうということもあるでしょう。そういうときのリハビリに最適なものがパズルです。パズルの良いところは、日常動作では体験しないほど、細かく指先や手を動かすところでしょう。しかも、狙ったところにパズルのピースを置かなければならないため、動かしたいところに手を動かすための訓練にもなります。

高反発クッションで指先と脳を刺激するミラクルグリップ

ミラクルグリップは、脳梗塞の後遺症を予防・改善するために作られた高反発クッション性のグリップです。メディアでもミラクルグリップを使ったリハビリによって、麻痺が改善された例が紹介されています。この商品を握ることで指に刺激を与え、脳機能を活性化させます。さらに握るということ自体がリハビリになるので、手の麻痺にはかなりの効果が期待できそうです。

鏡で手が動いていると錯覚させるミラーセラピー

手の麻痺を改善するためのリハビリとして、注目を集めているのが鏡を使った方法です。この方法はミラーセラピーと呼ばれており、麻痺していない方の手を鏡に映して動かすことで、脳に麻痺している方の手が動いていると錯覚させます。やり方は、麻痺している手を鏡の裏側に置き、ちょうどその位置に健康な手の鏡像がくるように調整します。そして、様々な動きをする鏡像を見ることに集中するだけです。

電流で筋肉の活動を高めるEMS治療器

EMSは微弱な電気を流すことで体に刺激を与え、筋肉の活動を高めるというリハビリ法です。病院でも同様のリハビリを行えますが、EMS治療器は市販されているので、これを購入すれば自宅でも手軽にEMS治療ができます。EMS治療器から発せられる電流には痛みはありませんが、筋肉の深部まで届きます。その刺激で麻痺している手を強制的に動かすことが可能です。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

【体験談】「自分が脳梗塞になるとは思ってなかった…」
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