よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞のADL訓練

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

脳梗塞になった方のADL訓練

脳梗塞はある日突然発症することも多く、家族が脳梗塞で倒れ今後どのように生活していけばよいのか迷っている方も多いでしょう。そんな不安を抱えている方は、脳梗塞の後遺症がある方の対策、ADL訓練法を調べてみてください。

脳梗塞に対するリハビリの流れ

脳梗塞の発症後、症状が軽度であれば何日か入院した後、外来にて薬を飲みながら再発予防をすることとなります。重度の場合は治療に長期の入院が必要となるほか、後遺症も残りやすい傾向があるため、退院後の生活をできるだけスムーズに送れるようにリハビリが必要です。

脳梗塞の治療は、急性期病院とリハビリテーション専門施設のふたつに分かれます。急性期の段階では、救命と全身状態の管理を目的とした治療がなされ、症状が落ち着いてくると、治療とあわせてリハビリが必要となるため、急性期病院を退院しリハビリ専門施設に移ります。症状が落ち着くまでの間を「回復期」と呼び、3~6か月ほどになることが多いです。ただ、リハビリテーション病棟への転院には、脳梗塞を発症してから2か月以内という条件があります。症状が出てから転院を考えたのでは遅すぎる可能性もあるため、早めに情報収集しておき、急性期病院のスタッフと話し合いながら転院先を決めることが大切です。

回復期を終えると、次は「持続期」に入ります。この段階はリハビリで改善された機能を維持する期間となり、訪問リハビリや通所リハビリを通しながら、在宅でリハビリを続けていきます。退院後は、家族のサポートもその効果に大きな影響を与えます。

ADL訓練とは?

ADL訓練とは、回復期のリハビリのことです。日常生活のさまざまな動作を練習し、食事、トイレ、家事、入浴などができるよう訓練をします。作業療法士が中心となって、患者さんにあった自立訓練の計画を立てます。

ADL訓練の目的は、運動能力・精神機能の回復、食事・トイレなど生活でおこなわれる活動の維持や改善、就労に向けた準備や改善です。おもな訓練の内容は、食事・着替え・トイレで、これらの基本的な動作を介助なくできるようになることは、患者さんのストレスを減らすことにもつながります。回復期の生活を向上させるためには不可欠な訓練と言えるでしょう。

ADL訓練 食事

食事のADL訓練は発症直後の急性期から回復期にかけて練習が必要です。自立歩行が難しい場合も、ベッドの上や車いすを使い訓練を開始します。

訓練の開始前に、嚥下機能に問題がないかをチェックします。食べ物を自分で飲み込むことができる場合は、ベッドの上や、車いすに座り自力で食事ができるよう進めるのが一般的です。最初はスプーンやフォークを使い、経過をみながら箸を使った訓練へと進みます。脳梗塞の麻痺が残ると握力が出ず、道具をうまく使えないこともあります。そのような場合はにぎりやすいスプーンやフォークを活用してみましょう。自助具を活用しながら、ひじをテーブルの上に乗せると食事しやすくなります。

ADL訓練 トイレ

脳梗塞の後遺症によっては、自力でトイレに立つことができなかったり、排尿障害があったりするため、おむつの使用や介助が必要になることもあります。ADL訓練は患者さん一人で排せつをおこなうための練習です。ベッドからの移動が困難な場合は、ポータブルトイレをベッドわきに置く、トイレに移動できる場合は、手すりにつかまるなど、できる範囲のことは患者さん本人に任せることとなります。下着の上げ下げ、ふき取りなど、困難な作業があれば必要に応じて介助をします。

ADL訓練 着替え

脳梗塞の後遺症で麻痺が残ると、自力で着替えをするにも練習が必要です。着替えのADL訓練は、麻痺がない手を使い練習します。 Tシャツは袖を通してから、麻痺のない手で背中側の襟を持ち、首を通す方法が一般的です。麻痺の度合いによっては、ズボンに足を入れてから寝転び着替える方法もあります。最初はうまくできず時間がかかりますが、あせらずゆっくりと訓練していきましょう。

ADL訓練 入浴・整容

脳梗塞の後遺症を抱える患者さんは、入浴中に転倒する危険性があるため、最初は介助を必要とします。ただし入浴は血圧が変動しやすく、医師の許可があるまで入ることはできません。入浴の訓練は必ず医師の指示に従って行いましょう。

入浴の際には浴槽にバスボードを渡しておきます。患者さんは椅子に座り、麻痺のない足から浴槽に入れ、バスボードに一度座ってから浴槽内に移ります。手すりにつかまりながら、ゆっくりとお湯に入ってください。からだを洗う場合はブラシを使い、バスタオルにはループを付けると作業がしやすくなります。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

【体験談】「自分が脳梗塞になるとは思ってなかった…」
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