よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の急性期におけるリハビリ内容

元の生活を目指して……脳梗塞のリハビリ治療

急性期の脳梗塞のときに行うリハビリ

脳梗塞を発症してから症状が落ち着くまでの1~2週間は「急性期」と呼ばれ、症状の悪化や再発を防ぐための治療が行われる時期です。そして、治療と平行して、早ければ当日からリハビリテーションも始まります。急性期のリハビリがどのように進んでいくのか、見ていきましょう。

脳梗塞による後遺症

脳梗塞は、血栓や塞栓、血管の狭窄などにより、脳への血液が流れなくなってしまうことにより発症する病気です。血液がいきわたらず、障害を受けた部分によって、手足に力が入らない、バランス感覚がつかめない、言葉が理解できないなど、さまざまな症状があらわれます。特に、手足に力が入らず動かなくなってしまう「運動障害」はもっとも多く見られる症状のひとつです。

適切な治療によって症状が改善される場合もありますが、その間、まったく動かさないでいると関節がこわばり、せっかく回復しても自由に動かすことができません。これを防ぐためには、発症からすぐの急性期からリハビリをスタートさせることが大切です。本人の意識がない状態であっても、病状が安定していれば、理学療法士などの手でリハビリを行います。

リハビリの手順

・身体機能を評価し、計画を立てる

リハビリの前に、障害を受けた部位や意識の状態、身体能力などを総合的に判断して、リハビリのスケジュールが組まれます。病状によっては予定が変更になる場合もあるため、医師や看護師の指示に従いましょう。

・ベッドサイドリハビリ

急性期のリハビリは、治療や検査も並行して進められています。安静にしていなければならない時期もあるので、無理は禁物です。入院直後は、ベッドに寝たままできるベッドサイドリハビリで、手足の関節をほぐします。一日に数回、ゆっくりと関節を曲げたり、伸ばしたりする動きを加えます。マヒが起こっていないほうも合わせて、両側とも行うのがポイントです。

・ベッド上で座る

血圧や脈拍がある程度安定し、マヒの進行が止まったら、ベッドの上で体を起こすためのリハビリを始めます。体を起こすと、臓器が下へ落ちて横隔膜を動かしやすくなるため、呼吸が楽になり、気管に食べ物を詰まらせづらくなるのが利点です。

最初は介助者が抱き起こすのに合わせて起き上がる訓練を重ね、慣れてきたら一人で起きる練習も繰り返し行います。また、座る訓練の後は、立ったり歩いたりするステップが待っています。この時期になったら、リハビリ用の靴も準備しておきましょう。

・ベッドから立ち上がる

座って体を起こしている状態に慣れ、姿勢も安定してきたら、いよいよ立ち上がる訓練です。やはり最初は介助を受けながら、徐々に介助を減らして一人で立てるように練習します。きちんと立つためには、マヒがない健康な足の筋力が必要です。マヒがある手足の訓練はもちろん、マヒのないほうの筋力を維持することも意識しましょう。

・車いすに移る

車いすの練習は、まだ自力で立ちあがれない状態でも行います。移動距離が広がり、目に映る刺激が増えるためです。車いすに乗れるようになると、家族の介助などで院内を移動することもできるようになります。ただ、車いすの目線は地面に近く、乗っている人は思っているよりもスピードを感じるものです。家族が介助するときは、焦らずゆっくりと移動することを心がけてください。

・嚥下訓練

急性期は、食べ物をうまく呑み込めない「嚥下障害」が起きます。食事中だけでなく、寝ているときに唾液が気管に入り込んで肺炎を起こす恐れもあるため、嚥下訓練は座れるようになった段階ですぐに始めるのが理想です。

具体的には、口に空気を含んで頬をふくらませたり、唇をとがらせたり、舌を出して動かしたりと、食べ物の咀嚼に必要な動きの訓練と、呼吸や咳の訓練をあわせて行います。正しい呼吸法を取り戻して、気管にものが入るのを防止するためです。基本的な動きができるようになったら、とろみのある水やお茶など、飲み込みやすいものから食べる練習をします。

リハビリは無理をしないこと

急性期はまだ容体が安定せず、患者さん本人も不安な時期です。リハビリの進み具合は、マヒの程度や身体能力、年齢などの影響が大きいため、人によってまったく違います。また、急性期には思うような効果が出なくとも、訓練によって徐々に改善されていくことも多いです。脳梗塞を発症することにより、心にも大きなダメージを受けてしまうことも少なくありません。心のケアにも気をつかいながら、無理せずリハビリを進めていってください。

先輩はどのよう立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

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