よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞のリハビリ大全~これまでの暮らしを取り戻すために~

発症後のケア脳梗塞のリハビリ方法

回復に向けた脳梗塞のリハビリ方法とは

脳梗塞を発症した本人は、後遺症に大きなショックを抱え、冷静な判断ができないこともあります。そんなときに役立つのが家族の支えです。脳梗塞発症後のリハビリは症状の回復を左右するため、家族はリハビリの重要性を理解し、どのようなリハビリがおこなわれるか知識を取り入れておきましょう。

リハビリの必要性

障害の起きた神経機能に関して、実はその回復のメカニズムは、全てが解明されているわけではありません。しかし、早期にリハビリテーションを開始することで、機能予後が別格に良くなることは今や常識となっています。

また運動機能の回復だけでなく、リハビリをおこなうことは心理的・社会的な回復も意味します。後遺症に負けない、元の日常生活にスムーズに戻るために、個々の障害や症例にあわせてリハビリをおこなうことが重要なのです。

早期のリハビリが重要

一昔前まで、「発症後に体を動かすと症状が悪化する危険性がある。」とされていた脳梗塞ですが、近年では、脳卒中の治療ガイドラインが見直され、発症直後にリハビリを開始することが推奨されています。

「早期にリハビリテーションを開始することにより、体幹機能を良好に保ち、機能予後が良好で、再発リスクの増加もみられず、ADLの退院時到達レベルを犠牲にせずに入院期間が短縮された。(中略)発症から24時間以内に座位、立位などのリハビリテーションを開始して、急性期の訓練量を多くすることにより、死亡率は変わらず、その後の機能予後も良い傾向があった。」
引用:脳卒中治療ガイドライン2009
http://www.jsts.gr.jp/main08a.html

発症から間もなく、リハビリを始めることで、後遺症を軽減させる効果が認められているほか、肺炎といった合併症の予防にもつながります。

脳梗塞のリハビリにおいて知っておくべき4つのポイント

麻痺の回復

手足が動かなくなる、または動きにくくなる、痺れがある、といった症状を「麻痺」といいます。脳梗塞を発症した多くの方にこの後遺症が見られ、脳梗塞のリハビリにおいてはこの麻痺からの回復が重要となるといっても過言ではありません。

脳梗塞の症状が緩和された後、麻痺も徐々に改善していくとされていますが、回復の程度は脳の損傷程度や部位、年齢によって大きく異なります。まったく同じ症状を持つ脳梗塞患者であっても、同じリハビリテーションを行えば同等に回復するとは限らないのです。

リハビリの必要性

残念ながら、リハビリさえ行えば麻痺が必ず治るといったことはありません。麻痺の回復は、体に元より備わっている治癒能力によって自然に行われます。リハビリはあくまで、適切な身体訓練を繰り返すことで回復を促すものである、といった理解が必要です。

一方で、リハビリは適切に行わなければ、関節が拘縮してしまい、いくら神経細胞に改善が見られても思うように手足を動かせない状態となります。後遺症の状態や発症後の時期にあわせ、適切なリハビリをおこなうことが重要です。

リハビリの効果

前述したとおり、行えば絶対に後遺症が改善されるというものではありません。リハビリの本当の効果は、神経細胞に改善が見られてから確認できます。手足が動かせる状態になったときに、体をしっかり動かすことのできる身体機能の回復が目的であることを覚えておきましょう。リハビリに前向きに取り組むことで、時間がかからずに脳梗塞の後遺症から回復するケースも多く見られます。

リハビリに意欲的になれない方

リハビリは効果が見えずらく、根気強さも求められるため、続けることに意欲的になれない方が多いのも事実です。

また、多くの場合、麻痺に対してのリハビリと同時に、残っている身体能力を引きのばすためのリハビリが同時に行われます。たとえば、麻痺している方ではない半身で、車椅子を操作するためのリハビリなどがそれにあたります。こういったリハビリが「良くならない可能性がある」といった誤解を生み、中には拒絶される方もいらっしゃいます。

しかし、特に脳に関する後遺症は、風邪のように数日で治るものではないのです。いかに前のような生活に戻ることに、前向きになれるか。本人の強い意志はもちろん、家族や患者さんを支える方のサポートも必要となります。

脳梗塞のリハビリまでをご紹介します

脳梗塞のリハビリの流れ

残された機能で日常生活を送ることが目標

脳梗塞発症後のリハビリは、重大な合併症がなければ入院当日から始まります。運動機能の悪化を防ぎ、残された機能を使って日常生活を送れるようになるためには、早期のリハビリ開始が必須となるのです。そのため、病院では入院からおよそ1日~3カ月の急性期、3~6カ月までの回復期にわたり、訓練を行うことになります。

訓練の内容については、その人ごとに適したプログラムが作成されます。治療直後はベッドに横になりながら行い、状態を見て回復期・維持期のリハビリへと移っていくのが一般的です。これらの訓練は、生活をスムーズにするのはもちろんのこと、本人や家族がよりよい日々を送れるようになることも目標としています。

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脳梗塞退院後のリハビリ方法と注意点

本人と家族が快適に日常を送るために

病院でのリハビリを終えても、すぐにもとのような生活に戻ることは難しいといわれています。しかし、退院後もトレーニングを行うことで、徐々に日常を取り戻していくことは可能です。維持期にあたるこの期間のリハビリは、自宅から通うデイケアと訪問リハビリテーションという、ふたつの方法があります。本人の意思はもちろん、家族の生活や考えも尊重したうえで、自分たちに合った方法を見つけてみてください。また、退院後の生活をスムーズにするためには、事前の準備も欠かせません。なるべく本人の負担が少なくなるよう、リハビリスタッフの手を借りながら環境を整えましょう。

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脳梗塞の急性期に行われるリハビリ

発症直後から開始して体を慣らす

脳梗塞発症後からおよそ2週間のあいだを「急性期」と言いますが、このあいだに行うリハビリはその後の生活においてとても重要な意味を持ちます。後遺症の病状はさまざまですが、特に多くの方に見られるのが運動障害です。回復には、急性期の段階から無理のない範囲で、辛抱強くリハビリを続ける必要があります。患者さんそれぞれに合った計画を立て、それをもとに徐々に身体を生活へと慣らしていきましょう。家族がリハビリのサポートにあたる際には、本人への心のケアを忘れないことも大切です。

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脳梗塞の回復期に行われるリハビリ

症状が安定したらベッドから離れる訓練を

脳梗塞発症後、急性期のリハビリに慣れ容体が安定してきた頃を「回復期」と呼びます。この時期になると、それまでは主にベッドの上で行っていたリハビリが、さらに日常生活を送るのに必要な能力を取り戻すような内容へと変わります。回復期はその名の通り、患者さんの回復能力が高い時期です。無理のない範囲でしっかりと訓練を行いましょう。リハビリ内容はさまざまですが、どれも家族の理解とサポート、また本人への心の気遣いが重要になります。

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脳梗塞の維持期に行われるリハビリ

日常に戻るための最終段階

脳梗塞を発症後、回復期を終えた患者さんが次に迎えるのは「維持期」です。治療が終わって症状も安定してきた後にあるこの期間は、本人と家族が健やかな生活を送るためにもっとも重要といえるでしょう。回復期に取り戻した身体の機能がもとの暮らしに馴染めるよう、病院や介護施設などをうまく利用しながら、自宅でのリハビリを行います。それまでとは異なる生活環境に戸惑う患者さんも少なくないため、家族のあたたかなサポートが欠かせません。

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脳梗塞のリハビリで行うADL訓練

生活に必要な動作をこなすための訓練

脳梗塞に倒れ重い後遺症が残ってしまった場合、もとの生活に戻るためのリハビリは不可欠です。それまでできていたことが困難になるため、本人が不安なのはもちろん、家族も戸惑ってしまうでしょう。そのなかで健やかな暮らしを取り戻したいと考えたとき、大きな影響力を持つのが日々の訓練です。治療後、回復期に入った患者さんに対して行うリハビリに、ADL訓練というものがあります。食事やトイレ、着替えなど、スタッフの手を借りながら、少しずつもとの活動ができるようになるための訓練です。患者さんにとっても家族にとっても負担の少ない生活を送るためには必須のリハビリといえます。

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回復期のボツリヌス治療

保険適用を受けられるリハビリ法

脳梗塞の回復期に入ると、筋肉が過剰に収縮して手足が突っ張り動かしにくくなります。その症状を予防するための対策が、ボツリヌス治療です。筋肉の収縮は、たとえ急性期のリハビリが順調でも起こることがあるため、症状が出ているようなら治療を開始する必要があるでしょう。定期的に続けることで、治療が不要になるほど回復する方もいます。また、発症から時間が経過している場合でも効果が得られるため、支障を感じるようであれば活用を検討してみてください。ボツリヌス治療を行うと筋肉が柔らかくなるため、リハビリや日常生活もスムーズになるでしょう。

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リハビリの体験談

歩行困難や失語症を乗り越えた人の体験談

脳梗塞で倒れ後遺症を抱えてしまったとき、本人とその家族が不安な気持ちになるのは当然のことです。生活が変わってしまうことへの心配や、サポートでの気疲れなど、さまざまなストレスはひとりで抱え込まずにスタッフやまわりの人に打ち明け、支え合いながら自分たちのペースで向き合っていくようにしましょう。そのなかで、「どのくらいで回復するのか?」「どのように付き合っていくべきか?」といった疑問も出てくるでしょう。実際に脳梗塞の後遺症を経験した方たちの声を聞くことで、知りたかったことが解決し、気持ちも楽になるかもしれません。

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リハビリの期間

脳梗塞のリハビリ期間

「リハビリはどのくらい続けるべきなのか。」「どのくらいリハビリを続ければ後遺症を克服できるのか。」日常生活に戻るために、必死にリハビリを頑張っている方やご家族の方にとって、その期間については気になるところです。急性期から回復期、維持期におけるリハビリ期間は、それぞれ異なります。維持期までに病院でリハビリを行える期間は平均して6ヶ月。それ以降の維持期は、後遺症の度合いなどにより、個人差があります。

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