よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の介護費用

いざというときに役立つ脳梗塞になったときの介護

脳梗塞になったときにかかる介護費用

家族が脳梗塞で倒れてしまったら、治療のため収入が一気に減ることになります。さらに介護費用がかかるとなると、どれだけの費用が必要かは気になるものです。こちらでは、入院から退院後にかかる介護費用の具体例を紹介します。

入院から退院までにかかる費用

全疾患に対する1日あたりの平均入院費用は、14,036円とされています。この内訳は以下の通りです。

・医療費の自己負担額 5,301円

・食事代1,080円

・差額ベッド代6,155円

・家族の交通費や食事代1,500円

それに対して脳梗塞の1日あたりの平均入院費用は、12,145円です。費用だけみると少ないと思うかもしれませんが、注意したいのが平均入院日数です。乳がん12日、大腸がん18日、骨折37日なのに対し、脳梗塞は89日もあります。この日数はほかの疾患と比べても長いほうで、65歳以上になると100日、75歳以上では116日と、年齢にともない入院期間が長くなる傾向があります。脳梗塞は入院期間が長くなりがちなため、介護費用も高くなりやすいのです。これに加えて、患者さんの状態によっては、再発防止のための外科手術が必要になることもあります。

医療費には高額療養費制度を活用しましょう

脳梗塞になった際の医療費は、高額療養費制度を利用できるため、支出を抑えることが可能です。高額療養費制度とは、一定額を超えた費用を支給してくれる制度です。月の初めから終わりまでが対象で、入院時の食事費用や差額ベッド代は含まれません。たとえば医療費が100万円かかり、自己負担額が3割で30万円だったときの例を見てみましょう。

80,100円(1か月の負担上限額)+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

70歳以上で仕事をしている人、70歳未満で年収約370~約770万円の方の上限は87,430円になります。1か月の負担上限額は、年齢や所得により異なります。

・70歳以上の方

現役並みの所得者・・・80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

一般・・・44,400円

低所得者(総所得金額がゼロ)・・・15,000円

低所得者で上記以外の人・・・24,600円

・70歳未満の方

年収約1,160万円~・・・252,600円+(医療費-842,000円)×1%

年収約770~約1,160万円・・・167,400円+(医療費-558,000円)×1%

年収約370~約770万円・・・80,100円+(医療費-267,000円)×1%

年収~約370万円・・・57,600円

住民税非課税・・・35,400円

また、世帯で医療費を合算する方法や、直近12か月の間に高額療養費の支給を3回以上受けた方は、さらに自己負担額が軽減されます。入院される方は、事前に医療保険から「所得区分」の認定書を発行してもらうと、窓口の支払いが自己負担額までで済みます。

退院後の介護にかかる費用

脳梗塞は症状の程度や後遺症があるかによって、要介護レベルが変わります。要介護として認定された場合は、介護保険を使うことで自己負担額が安くなります。介護サービスを利用することで、家族の負担も減らすことができるため、積極的に活用しましょう。

1.要介護1

・体の状態

排せつ、入浴、着替えなど生活の一部に介助が必要な状態です。

・利用限度額

月の支給限度額は165,800円です。訪問看護は週1回、ディサービスやディケアは週2回、短期入所は3か月に1週間、一部の福祉用具の貸与が利用できます。

・自己負担額

訪問・通所1か月あたり16,580円です。

2.要介護2

・体の状態

排せつ、入浴などに介助が必要で、着替えに見守りが必要です。

・利用限度額

月の支給限度額は194,800円です。訪問看護は週1回、ディサービスやディケアは週3回、短所入所は3か月に1週間、一部の福祉用具貸与が利用できます。

・自己負担額

訪問・通所1か月あたり19,480円です。

3.要介護3

・体の状態

排せつ、入浴、着替えに介助が必要で、重度の介護となります。

・利用限度額

月あたりの支給限度額は267,500円です。訪問看護は週1回、ディサービスやディケアは週3回、夜間巡回型訪問介護は毎日、短所入所は2か月に1週間、福祉用具貸与が利用できます。

・自己負担額

訪問、通所1か月あたり26,750円です。

4.要介護4

・体の状態

排せつ、入浴、着替えすべてに介助が必要で、最重度の介助となります。

・利用限度額

月あたりの支給限度額は306,000円です。訪問看護は週2回、ディサービスやディケアは週1回、夜間対応型訪問介護は毎日、短所入所は2か月に1週間、福祉用具貸与が利用できます。

・自己負担額

介護、通所1か月あたり30,600円です。

5.要介護5

・体の状態

寝たきりで生活全般に介助が必要です。

・利用限度額

月あたりの支給限度額は358,300円です。訪問看護は週2回、ディサービスやディケアは週1回、夜間対応型訪問介護は朝と夜の2回、短所入所は1か月に1週間、福祉用具貸与が利用できます。

・自己負担額

介護、通所月あたり35,830円です。

さらに注意したいのが、退院後介護施設を利用する場合の費用です。特別養護老人ホームでは月あたり3~7万円の費用がかかり、雑費を合わせても10~15万円程度で済みます。しかし、公的な施設は入居待ちの人が多く、退院後すぐに入れるとは限りません。そこで検討するのが民間の施設ですが、どうしても費用はかさんでしまう傾向にあります。入居一時金100万円、月々の費用が20万円ということも少なくありません。自宅での介護が難しく、公的介護施設の入居待ちをする余裕もない場合は、この費用も考えておく必要があります。

手当の活用で負担を減らそう

脳梗塞による入院から入院後の介護費用の工面には、障害者申請とあわせて、特別障害者手当を利用しましょう。特別障害者手当とは、精神または身体に重度の障害を持っている人が受けとれる手当です。在宅で過ごす20歳以上の方を対象として、月あたり26,810円の支給が受けられます。申し込みはお住いの市町村窓口で申請することができます。ただし、受給者もしくは配偶者・扶養義務者の前年度の所得が一定額以上だと支給できません。

また、障害者手帳を申請することで、さまざまな支援を受けられます。申請は市役所福祉課で受け付けており、申請書、診断書、顔写真が必要です。なお障害の部位により、診断書の種類が変わるため、必要な書類の詳細は事前に確認しておくことをおすすめします。脳梗塞で倒れた場合、症状固定の時期6か月を経過してから申請となります。重症の場合は3か月で申請が可能です。

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