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失業や非就業の経験者は脳卒中のリスクが高い

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脳梗塞になりやすい人はこんな人

失業や非就業は脳卒中のリスクを高める

失業や退職などで一度でも仕事についていない時期があった人は、ずっと仕事についていた人に比べ、脳卒中にかかる率が高い。また、再就業した場合、女性は脳卒中のリスクが減るが、男性の場合は依然高いままになる。脳卒中で死亡するリスクについても同様……

就業と脳卒中のリスクの関連性調査

そういったデータが、2017年4月、国際科学雑誌「Storke」に掲載されました。大阪大学大学院医学系研究科のEhab Eshaks客員准教授らの研究グループの研究結果です。

調査の対象になったのは、全国の保健所のうち、岩手、大阪、滋賀、富山など脳卒中にかんするデータを持っている9カ所です。人数は男性21,902人、女性19,826人にもなりました。脳卒中発症率については平均15年間、脳卒中死亡率については平均17年間の追跡調査をしています。

また、「継続して就業」「再就業」などは5年の期間についてチェックしています。また、数値は年齢やほかの病気、飲酒・喫煙などの要素が影響しないように調整されています。

男性の脳卒中発症リスク

  • 継続して就業 1.00(基準)
  • 失業(就業→非就業) 1.58
  • 再就業(非就業→就業) 2.96
  • 継続して非就業(非就業→非就業) 1.36

女性の脳卒中発症リスク

  • 継続して就業 1.00(基準)
  • 失業 1.51
  • 再就業 1.30
  • 継続して非就業 1.38

男性の脳卒中死亡リスク

  • 継続して就業 1.00(基準)
  • 失業 2.22
  • 再就業 4.21
  • 継続して非就業 5.42

女性の脳卒中死亡リスク

  • 継続して就業 1.00(基準)
  • 失業 2.48
  • 再就業 1.28
  • 継続して非就業 1.98

ずっと就業していた場合に比べ3〜4倍と、再就業した男性の脳卒中発症リスク・死亡リスクの高さが特に目立ちます。

なぜ、非就業と脳卒中のリスクとつながる?

この理由について研究グループでは以下のような仮説を立てています。

  • 一回失業したことのストレスに加え、新しい仕事を継続するための緊張が強いられる。失業しているときに健康を損ね、再雇用での緊張でさらに健康を損ねる。再雇用者は仕事上の不安があり、病気になっても病院に行かないことも多い。
  • 特に日本の場合、男性労働者は再雇用では以前より低い地位で雇われることが多く、再雇用されたところで失業前に比べれば経済状態が悪化している。
  • 前回の失業の理由が健康問題であり、再雇用時にすでに何らかの病気にかかっていた可能性も高い。

また、男女間で数値の違いが目立つことについては、「データでは専業主婦と失業女性の区別がつけられていない」「女性の再雇用は休業後のリスタートでしかない場合も多い」といったことから、注意深く検討する必要があるとしています。

参照元:「Eshak ES, et al. Changes in the Employment Status and Risk of Stroke and Stroke Types. Stroke. 2017; 48: 1176-1182.」

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