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BMIと脳卒中の関連性

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脳梗塞になりやすい人はこんな人

OverweightBMIが高い

「肥満と脳卒中は関係がある」は漠然と理解している人は多いでしょう。しかし、それを裏付けるようなデータは実際には多くありません。特に日本人に関するものは、少し前までは無いも同然でした。

コレステロール値が高い男性のイメージ

女性は太っているほうが、
男性は瘦せているほうが脳卒中のリスク大

2017年4月、脳卒中の発症率と肥満の関係を調べた統計が発表されました。「JMSコホート研究」といい、自治医大(JMS、Jichi Medical School)の卒業生で、かつ地域医療に従事している医師らが研究に参加しています。

女性の場合は肥満の人の方が多く脳卒中を発症していましたが、男性はやせている人のほうが脳卒中にかかる率が高いという意外な結果でした。

肥満・やせの指標にはBMIが使われました。BMIは[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算されます。国によって判定基準が異なり、日本肥満学会では、以下のように基準をさだめています。

18.5未満 低体重(やせ)
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満(1度)
30~35未満 肥満(2度)
35~40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

(※1)

今回のJMSコホート研究は、男性 4444 人、女性 6960 人を対象に、2005 年末までの平均 10.8年間追跡調査したデータが元になっています。その結果は次のとおりです。

男性の発症リスク

BMI 全脳卒中 脳梗塞 脳内出血
18.5以下 2.11 2.15 2.78
18.6〜21.9 1.35 1.42 1.11
22.0〜24.9 1 1 1
25.0以上 0.97 1.13 0.43

女性の発症リスク

BMI 全脳卒中 脳梗塞 脳内出血
21.9以下 1.12 1.03 0.94
22.0〜24.9 1 1 1
25.0 〜 29.9 0.94 0.9 0.88
30.0以上 2.25 2.48 2.41

(※2)

「女性の場合、肥満2度以上の人は普通体重の人に比べ、脳梗塞や脳内出血を起こす可能性は2倍以上高い」ということになります。

ところが男性の場合、「肥満1度の人が最も脳梗塞や脳内出血を起こす可能性は少なく、普通体重の人のほうがやや多い。やせ形になると倍以上になる」といったことがわかります。

標準体重も発症リスクが大

この発表では、「なぜ男女で全く逆の結果が出たのか」「なぜ本来最も健康的とされる標準体重が、やや肥満しているよりも発症率が高いのか」については触れられていません。ほかの研究者らが出す結果にも同様の傾向があり、JMSコホート研究は例外でもありません。

肥満の場合で脳卒中が多いのは、「血栓を溶かす酵素が作られにくくなる」「動脈硬化などを起こしやすく、血管も破れやすい。その破れた部分を修復するために血小板が集まり、そのかたまりが血栓になる」といった理由が挙げられるのが一般的です。

一方のやせ形の脳卒中については、「理由がよくわからない」というのが実際のところのようです。

ただ、脳卒中の危険因子は高血圧・不整脈・心筋梗塞・糖尿病・喫煙・飲酒・運動不足などたくさんのものがあります。「太っている・やせているだけを気をつけておけばいいものではない」とは意識しておいたほうがいいでしょう。

(※1) (PDF)肥満度分類 WHO基準, 日本肥満学会

(※2)Kawate N, et al.; Jichi Medical School Cohort Study Group. Body mass index and stroke incidence in Japanese community residents: The Jichi Medical School (JMS) Cohort Study. J Epidemiol. 2017; 27: 325-330.

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