よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の後遺症の感覚障害とは

脳梗塞の後遺症を乗り越えるために~症状と対策法~

感覚障害

脳梗塞は危険な症状ですが、その後の後遺症も大変なものです。感覚障害は後遺症の1つであり、リハビリを行う必要があります。回復までは患者さんだけでなく、ご家族も大変ですが、周囲の方も症状や接し方を理解しておくことが大切です

感覚障害が起こる脳梗塞の種類

脳梗塞は脳血管障害、脳卒中の一種で、脳の血管が詰まってしまうことで血流が滞り、そこから先に血液が循環しなくなり、脳細胞がダメージを受ける病気です。脳の一部に血液が流れない、または流れにくくなることで栄養や酸素などが運ばれなくなり、さまざまな症状が起こる可能性があります。感覚障害も、そうした症状のひとつです。脳には運動や感覚などを司る様々な部分がありますが、感覚を司る部分で血液循環が滞ると、感覚障害を引き起こします。

脳梗塞には脳血栓と脳塞栓があり、脳血栓のうち細い血管が詰まるラクナ梗塞は、比較的症状が軽いため、後遺症もほとんど残らないことがあります。しかし、脳塞栓の場合は心臓で作られた溶けにくい血栓が原因となり、太い血管に詰まるため、症状も重篤になる場合が多く、死亡率も、後遺症のリスクも高いと考えられています。

感覚障害は脳だけでなく脊髄や末梢神経が原因でも起こることがあります。脳と脊髄で起こるものを中枢性、末梢神経によって起こるものを末梢性といいます。脳で起こる感覚障害では、顔面を含む半身にしびれが起こりやすく、脊髄で起こる場合には、障害された場所の神経が支配する領域や、障害された場所より下の神経が支配する領域の感覚に症状が出やすくなります。また、末梢神経では手足などの末端で障害が強く起こりがちです。

具体的な症状

脳はそれぞれの場所で体のどの部位の感覚を担うかが定まっています。そのため、脳梗塞が起こった部分によって、どこに感覚障害が出るかも変わってくるのです。また、感覚障害の現れ方も脳梗塞が起こった場所によって違いがあります。

大脳の場合には、その左右のどちらかに障害を受けるとそれとは反対側の半身に感覚障害が発症します。脳の神経は視床と言う部分に到達するまでに左右が入れ替わるため、感覚障害は脳の損傷部位と逆側に起こります。顔などの皮膚の感覚をはじめ、振動や関節位置覚という深部感覚にも障害が出ることがあります。

また、大脳の下にある視床という部分の場合にも、大脳と同じく反対側に障害が現れ、痛みも伴います。その下にある脳幹が障害を受けると、皮膚の感覚障害だけ、または深部感覚だけに障害が残ったりします。

脳梗塞の感覚障害として、しびれの症状を訴える人は多いです。しびれが起こると脳の病気への不安も大きくなります。脳以外にもしびれが起こる原因はありますが、脳に問題があってしびれが起こっているケースでは、左右の症状に差があったり、体の半分だけに起こったりすることが多いです。また、後遺症として感覚障害だけが残ることもありますが、感覚と運動を司る神経はほぼ同じ経路のため、感覚障害と運動障害が同時に現れることもあります。

リハビリ方法

脳の感覚と運動を司る神経は、それぞれが別ではなくお互いに関係しあっています。感覚を通して運動を細かく調節することで、適切な動きを行うことができるものです。しかし、感覚が障害されていると、運動時に違和感を覚えたり無感覚になったりして、うまく体を動かすことができません。これをフィードバックといいます。私たちの体は感覚器がフィードバックを行うことで運動を成立させているのです。また、運動の前には、小脳の中でフィードフォワードという機能も使われます。これによって以前のデータを元にして動作を適切に行うことができます。

しかし、脳の障害によって運動麻痺が出るとこのデータに誤差が生じ、感覚による運動の調節もうまくいきません。そのため、リハビリでは感覚を取り戻すことで運動能力の回復が期待でき、運動能力を取り戻すことで感覚の回復が期待できるのです。

リハビリでは発症直後から約3ヶ月の間、状態に応じて目標を設定し、それを達成するためのプログラムを作ります。発症後3ヶ月までは急速に機能が回復しますが、半年から1年程度経つと回復が鈍くなりがちです。そのため、発症から3ヶ月以降の4ヶ月から6ヶ月の期間でもリハビリを集中的に行い、回復を目指します。発症後の状態も個人差がありますが、その後の機能回復もそれぞれに差があるものです。

下半身の麻痺では、全く動かない状態から足に力を入れる、膝を曲げる、足首を動かすといった過程を通して、歩行を目指します。リハビリでは、介助者が足を押さえたり、それぞれの段階に応じた装具を利用したりすることもあります。

発症後3ヶ月程度で足を閉じることができる段階になったら、太ももまでの装具を使い歩行を目指します。膝を伸ばそうとすると股関節も一緒に動いてしまうようなら、膝下までの金属製の装具を使用することで歩行できるようになる場合もあります。股関節を動かさずに膝を曲げられるようになると、プラスティック製の装具と杖を使用し、さらに、足首だけを動かせるようになれば杖だけでの歩行が可能となる場合もあります。

 

接し方のポイント

脳梗塞によって感覚障害が残ってしまうと、反応が鈍くなり、ケガなどにも気づきにくくなります。そのため、本人は危険な状況に気が付かなかったり、やけどやケガの発見が遅れたりすることがあります。感覚障害を持つ患者さんの周囲の人は、日ごろから危険がないように環境を整え、ケガをしていないかなど、注意深くチェックすることが必要です。

体験談

発症後3ヶ月程度で、他の後遺症である嚥下障害はほとんど回復したものの、半身の感覚が戻らず、熱さや冷たさ、痛みなどが左半身全体に及んだままでした。運動能力は問題がなく、横になると楽になる様子でしたが、起きている間はずっと火照った感覚が収まりません。また、重いものを持つとしびれが出て力が出にくくなるようでした。

今後は、違和感を軽減できる方法を日々の生活から見つけることと共に、病院で主治医からのリハビリの指導を受けることを考えています。

脳梗塞の感覚障害の後遺症には適切な見守りとリハビリを

脳梗塞の感覚障害の後遺症には個人差があります。その人の状態に合わせた必要なリハビリや補助を取り入れて、患者さんの後遺症を改善しようという気持ちを支えることが大切です。また、感覚障害では日常生活で危険もあるため、日ごろから環境を整え、見守ることも大切です。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

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