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脳梗塞後の疼痛性障害とは

脳梗塞の後遺症を乗り越えるために~症状と対策法~

疼痛性障害

脳梗塞の後遺症として発症することがある、疼痛性障害。脳が異常な情報を伝達することにより、痛みの感覚を味わってしまうという症状です。疼痛性障害の症状や治療法、接し方について紹介しましょう。

脳梗塞と疼痛性障害の関係

脳梗塞になってから数週間、あるいは数ヶ月経った頃、中枢性疼痛・痺れの症状が出ることがあります。一般的な痛みや痺れとは異なり、独特の感覚を伴うことから、患者さんにとってはかなり不愉快な症状です。

手足や体の感覚は、通常なら神経の束によって脳に伝えられます。しかし、脳梗塞になると、その神経の束が途切れてしまい、手足の感覚が鈍くなるのです。感覚が鈍くなっているのに、痛みや痺れを感じるのはおかしいと思うかもしれませんが、そこが疼痛性障害の特徴です。脳が異常な感覚状態を作ってしまうため、患者にとっては非常に苦痛が大きいと言われています。手足が抹消、脳が中枢と考えることから、中枢性疼痛・痺れとも呼ばれます。

疼痛性障害の症状

脳梗塞になった後の痛みには2種類あります。

・末梢性疼痛
末梢性疼痛は、麻痺に関係する痛みです。同じ末梢性の痛みには、筋肉痛や関節痛、五十肩、肩手症候群などがあげられます。

・中枢性疼痛
中枢性疼痛は感覚を司る中枢の障害により生じる痛みです。大脳皮質にある感覚中枢で感じる痛みで、情報処理の異常が起こっているのが原因で起こります。末梢性に比べると苦痛が強いのが特徴です。ただ、脳内で感じているだけの痛みですから、脳梗塞の再発につながりやすいというわけではありません。

中枢性疼痛が慢性化した状態を神経障害性疼痛といいます。具体的な症状はさまざまで、例えば、長期間の痛みが続き、しびれを伴う痛み、ジンジンするような感覚があるなどです。ピリピリする、ヒリヒリする、チクチクするといったように、嫌な感じだけれど痛みを具体的に表現できないようなときにも、神経障害性疼痛の可能性があります。その他、足に妙な違和感があるといった症状を訴えるケースや、ちょっと触れられただけなのに激しい痛みを感じるケース、感覚的に麻痺しているような、不思議な皮膚感覚を得ているケースもあります。

疼痛性障害の治療方法

神経障害性疼痛は、実際に痛みや痺れが体に残っているわけではありません。にもかかわらず、脳が痛みや不快感を抱いてしまうため、患者さんは強いストレスを感じています。長期間続くことが多い神経障害性疼痛の影響で、うつ症状や不眠に陥ることもあります。そうなる前に、不快感を医師に相談するようにしましょう。

神経障害性疼痛には、鎮痛薬での薬物療法があまり効果を発揮しません。そのため、最近では神経刺激療法が利用されています。手足の神経や脊髄、脳内、脳の表面などに、手術で小さな電極を入れる方法です。腕時計ほどの大きさの体内埋め込み型刺激装置を胸部や腹部に埋めて、電極とつなぐと、体の外から刺激装置を作動させて、痛みを伝える働きをコントロールしてくれます。

加えて、神経障害性疼痛の治療薬も登場し、個別の痛みに合わせて様々な組み合わせが行われています。痛みの専門医療施設であるペインクリニックでも、総合的な痛みを相談することができます。

 

接し方のポイント

神経障害性疼痛だけでなく、比較的軽度の末梢性疼痛であっても、患者さんの苦痛は大きいです。しかし、患者さん本人が痛みを訴えても、介護や看護をする側にとっては痛みの感覚を理解するのが難しいものです。

疼痛の看護には、3つの目標があります。
・痛みに苦しめられずに夜間の睡眠を十分にとれること
・日中の安静時に、痛みを感じずに過ごせること
・体を動かしたときの痛みがなくなること

これらを踏まえて、看護においては観察項目やケア項目が設定されています。患者によっては、疼痛があっても訴えない人もいます。その場合は、個別に表情の変化を読み取り、不自然な箇所がないかどうかに気を付けておきましょう。痛みが継続すると、精神的な苦痛にもつながってきます。抑うつが自殺願望に発展することもありますから、十分に注意して看護にあたることが必要です。

家族にも、できることがあります。まず、脳梗塞の後遺症に関する知識をきちんと把握しておくことです。客観的な視点ではなく、患者本人の視点に立ってみると、どのようなサポートが必要かがわかります。ただし、何でもかんでも介護すればいいというものでもありません。患者のためと思ってしたことが、かえってマイナスにつながってしまうこともあります。患者自身ができるようになることも大切で、それをサポートする姿勢を心がけましょう。

家族同士での介護の考え方、取り組み方にも注意しておく必要があります。これは特定の家族にだけ負担が重くなってしまうと、介護に支障がおよぶ可能性もあるためです。脳梗塞の後遺症が重い場合など、介護保険などのサービスもしっかり利用しましょう。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

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