よくわかる脳梗塞の予防・治療Navi

脳梗塞の後遺症の運動障害とは

脳梗塞の後遺症を乗り越えるために~症状と対策法~

運動障害

脳梗塞の後遺症のひとつである運動障害は、患者さん本人はもとより、ご家族など周囲の人たちにとっても重くつらい現実でしょう。運動障害は、脳梗塞の後遺症としてよく見られるものです。決して楽観視できるものではありませんが、適切なリハビリや周囲の対応で根気よく改善を目指していくことが大切です。

前頭葉後部が傷つくと麻痺が起こる

脳は、それぞれの部位で異なる役割を持っており、損傷を受けた場所や範囲によって障害の出方や重症度が変わってきます。脳梗塞によって起こる障害は、特定の領域がダメージを受けることでそれの領域に応じた機能にあらわれます。また、広い範囲で病気が進行すると、その分機能障害も重くなることがあります。

大脳は、左右逆側の手足の動作を司っている一方で、言語など片方の脳半球が優位になっているものもあります。また、前頭葉や頭頂葉など、場所によって、運動、感覚といった機能を司っています。前頭葉は問題を解いたり計画を立てて行動したりする能力の他に、後部では随意行動の調節が行われており、その部分が障害されると麻痺や脱力などが起こります。

運動障害の症状

脳梗塞の後遺症としては、片麻痺という運動障害が多いです。片側の手足に麻痺が見られる状態で、脳梗塞が起こった脳の場所とは左右反対側の手足に麻痺が起こり、運動に関する機能が損なわれます。半身の麻痺や手足に力が入らない、足がもつれるなどの症状があらわれますが、その程度は軽度から重度までさまざまです。

リハビリは根気よく

脳梗塞によって起こった運動障害には、リハビリを行うことが大切です。発症直後から、急性期や回復期といった段階を踏んだリハビリを進めていきます。病状が落ち着いた後の自然回復をする過程の中で、適切な訓練を受けることによって機能を回復させます。

麻痺の程度や部位によっては完全に回復することもありますが、そうではない場合にも生活の質を向上させることが大切です。そのため、麻痺を回復させる訓練とともに補助具などの使い方を覚える訓練を並行して行い、麻痺が回復しなかった場合にも対応できるようにしておきます。また、完全に回復しない場合でも、訓練しないと関節のこわばりが起こる恐れがあるため、リハビリは必ず必要です。根気よくリハビリを続ける支えには、ご家族の協力が欠かせません。家庭に戻ってからの生活のためにも、家族でリハビリに取り組むことが大切なのです。

・麻痺そのものを克服するリハビリ
麻痺そのものを克服するリハビリには、歩行訓練などがあります。病状が落ち着いた後から麻痺が改善していくに合わせて、リハビリを行うことで機能の回復を目指します。可能な限り早い時期から、できることを始めましょう。

座る訓練は頭を起こしても病状が悪化しないのであれば、早期から開始できます。座る訓練では、浅い角度から起こし始めて90度のギャッチアップが可能になると車椅子やベッドに自力で座る訓練が可能です。車椅子に30分座れるようになると、次は歩行などの訓練とステップアップしていきます。また、意識のない場合でも、関節を良い状態にしておく訓練を行います。

・残った能力で不自由なく生活するためのリハビリ
残った能力を生かして生活をするためのリハビリも平行して行います。車椅子の訓練など、補助具を使って快適な生活を送れるようにする練習です。麻痺が回復しなかった時のための対策として行いますが、患者さんの中にはこうしたリハビリを始めることで回復への希望を失う人もいます。しかし、これは今ある能力を使って生活の質を高めて、リハビリをしながら生活をしていくために大切なものです。

家族のサポート

家族のサポートは後遺症の程度によって異なり、必要な介護も後遺症の状態によって変わります。麻痺が重いほど介護の必要性も増えてきますが、患者さんができることまでやってしまうとさらに機能が衰えてしまうため、後遺症への理解も必要です。

基本的に、リハビリは医師や理学療法士に任せるのが第一です。しかし、退院後に患者さんが体を動かすサポートをして、良い関係の中で楽しく生きがいをもって過ごすためには、家族の協力が必要となります。患者さんのリハビリに対するモチベーションを落とさないよう精神的なサポートをすることも、家族の重要な役目です。

規則正しい生活と外出や趣味を楽しみ、体を動かす機会を持つことが、家庭に戻ってからのリハビリになります。また、足の力を弱らせないために、椅子に座ったり立ったりといった簡単な訓練を行うと良いでしょう。

もちろん、ご家族の誰かに負担が偏ったり、疲労を溜めたりするようなことがあってもいけません。家族で介護をしつつも介護保険のサービスを利用して、お互いに無理なく楽しく生活を送れるようにすることがもっとも重要となります。

体験談

脳梗塞で入院して、左の片麻痺が残ったものの、入院後1ヶ月で尿意を訴えることや自力での右手を使った食事ができるようになっていました。退院時には医師から「高齢のためリハビリは効果が見込めない。車椅子の利用で移動を介助するように」と言われましたが、家族でもっと良くなるのではないかと、リハビリ専門医を尋ねることにしたんです。左上肢の動きは難しそうである反面、下肢に関しては立膝程度の動きを持っていました。

専門のリハビリ医の元で入院によるリハビリを2ヶ月間行い、外泊訓練もその間に行った後に退院。その時点で、自宅内の歩行は杖と短下肢装具の利用で自立、身の回りの行為も自立が叶う状態でした。その後も、外来の診察と指導で外出の範囲を拡大することができていますので、今後とも見守っていきます。

脳梗塞の後遺症の運動障害はリハビリでそれぞれの回復を

脳梗塞の後遺症による運動障害は、症状にも回復にも個人差があるため、全ての人がリハビリで失われた機能を回復できるとは限りません。しかし、麻痺の回復とともに残った能力を生かすためのリハビリを行うことは、その後の生活のしやすさを考えるうえで非常に大切です。同時進行することで、麻痺が残った時の対処にもなりますし、家庭に戻ってからより快適な生活をしつつ、回復が目指せます。また、機能回復は高齢でも個々の状態によっては期待できるため、残存能力を伸ばしたり、機能回復のためのリハビリをしたりすることは大切です。

先輩はどのように立ち向かったのか

事例は異なりますが、脳梗塞に立ち向かった先輩方や、その御家族がどんな取り組みをされていたのかを知ることはとても大切です。脳梗塞で倒れ、現在は復帰してプロスカウトをされている、元プロ野球選手の「柏原純一」さんと奥様の体験談をご紹介いたします

【体験談】「自分が脳梗塞になるとは思ってなかった…」
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