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後遺症なしの事例|脳梗塞の後遺症を乗り越えるために

脳梗塞の後遺症を乗り越えるために~症状と対策法~

脳梗塞を発症しても後遺症が残らないことがある?

脳梗塞を発症すると後遺症が必ず残ると思ってしまいがちですが、実は後遺症なしのケースもあります。脳梗塞を発症した方のうち後遺症が残るのは60%ほどといわれており、実人10人に4人の割合では後遺症がなく通常の生活ができる例もあるのです。

後遺症は日常の何気ない動作ができなくなったり、会話をすることにも支障が起きる可能性もあります。患者本人のみならずご家族の方にとっても、可能な限り後遺症を残したくないという願いは変わらないはずです。後遺症が残らないようにする対策法はあるのでしょうか。脳梗塞で後遺症なしだった事例を元に、その対策法について検証していきます。

脳梗塞で後遺症が残るのはなぜ?その原因とは

そもそも脳梗塞の原因は、脳の血管が「フィブリン」と呼ばれる血栓で詰まることによって、脳に十分な血液が行き渡らなくなることで発症します。人間の体は血液を介して栄養分や酸素を受け取っているので、血液が不足した脳は栄養分や酸素を受け取れなくなり、徐々に脳の細胞が活動しなくなります。

やがて活動しなくなった脳細胞が担っていた役割は失われ、言語障害や運動障害などの後遺症となって残ります。一度活動を停止した細胞が蘇ることはありませんので、死んだ細胞の数が多ければ多いほど、後遺症は残りやすくなるのです。

後遺症が起きるメカニズムを考えれば、脳梗塞発症後に細胞が活動を停止する前に何かしらの対策を取ることで、後遺症を残さない「後遺症なし」といった状態にすることも可能であることが分かります。

脳梗塞を発症しても後遺症が残りにくい二つのケース

以下のようなケースの場合、脳梗塞を発症しても後遺症が残る可能性は低いといわれています。

  • ・脳梗塞を起こした範囲が小さい場合
  • ・発作が起きてからすぐに治療をした場合

いずれも脳梗塞の症状がひどくなかったケースに限ります。脳梗塞の重症度は、基本的に範囲には左右されません。脳の損傷範囲が小さく、かつ体の動作に影響が出ない箇所の損傷であった場合に限ります。

また、発作が起きてからすぐに治療をしたとしても、前述したとおり一度損傷を受けた脳は回復することがありません。血管が詰まった状態を早期に発見でき、脳が損傷を受ける前に治療を行った場合に限ります。

とはいえ、初期の段階で治療を行うことは脳細胞の損傷を最小限で食い止めることができるため、後遺症を残さないためには非常に重要なこととなります。

そのため、症状に気がついたらすぐに病院を受診することがとても大切。ご自身や家族、周囲の人が気にかけ、病院の受診を勧めることも重要となります。特に高齢者の場合、脳梗塞から廃用症候群になる可能性が高く、回復が難しいといわれます。廃用症候群になったら治療すればいいという考え方ではなく、廃用症候群にならないような予防対策も大切です。

後遺症が残らなければ再発予防は必要ない?

たとえ脳梗塞の後遺症が残らなかったとしても、再発予防は必ず必要です。脳梗塞は再発率が極めて高い病気であることが知られており、その再発率は、実に75%にまで上るといわれています。

「他の報告者の成績も合わせると,脳塞栓の長期の自然再発率は30~75%と考えられ,その多くが初発より6ヵ月ないし1年と比較的早期に発生している」
出典:脳塞栓における早期塞栓症再発 峰松・山口・長木・澤田・尾前  一般社団法人 日本脳卒中学会 2009(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/8/1/8_1_43/_pdf

脳梗塞の一種である脳塞栓の研究論文ですが、長期的に見ると高い再発率を持っていることが分かります。

1年以内に再発することが多く、1ヵ月以内の再発率は40%にも。どれだけ期間が経っても再発する可能性はあるため、長期的に再発予防を行っていく必要があります。

それは後遺症のあり・なしは、当然ながら関係ありません。むしろ、後遺症がある方の方がリハビリや健康に気を遣うようになるため、再発しない可能性は高くなるとさえ言われています。

後遺症がなかったからといって安心し、生活習慣の改善もせずに元の生活に戻ってしまうことで、再発のリスクが高まることは誰が見ても歴然としています。

早めの治療によって後遺症が残らなかった男性の体験談

自分が脳梗塞になるなんて思いませんでした。朝起きてトイレに行こうとしたら、なんだか体に力が入りません。違和感がありましたが、そのまま居間に向かい椅子に座ろうとすると、今度は体のバランスが取れません。しかも会話をしようと思ってもろれつも回らず。

慌ててそのまま病院に行きましたが、総合病院に行くようにいわれ、総合病院では急患扱いです。即入院をして薬を投与され、15日間の入院生活が始まりました。やはり会話機能が少々衰えていたので、入院中にリハビリを行いました。早めに受診したので麻痺などが残らなかったことは不幸中の幸いでしたね。

今では後遺症もなく、日常生活を送ることができています。今考えると、様子がおかしいと感じた時点で、救急車を呼んでおけば、もっと早く回復できたかもしれないと感じています。発症して初めて脳梗塞の恐さと後遺症が残ることへの不安を知りました。あの恐怖は忘れられませんので、今でもしっかりと再発予防に努めています。

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