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記憶や言語に影響がでる脳梗塞の高次脳機能障害

脳梗塞の後遺症で知っておきたい 高次脳機能障害について

脳梗塞の後遺症の1つに高次脳機能障害があります。高次機能障害とは、感情をコントロールしたり、何かに集中したりするような、社会で生活していくうえで必要不可欠な能力の障害のことです。具体的にどのような症状があるのか、詳しくご紹介します。

脳には、命を維持する能力と、物を見て何かを判断したり、感情をコントロールしたりする高次の能力など様々な能力があります。しかし、脳出血や脳梗塞など脳の病気や事故による脳の損傷によって、高次の能力が障害される場合があるのです。これを高次脳機能障害といい、怒りやすくなるなど感情のコントロールが出来なくなる、社会的行動障害や記憶の障害などの症状が現れます。診断は、医師によりなされますが、脳の病気や損傷がない場合や、高次脳機能障害の症状がない場合、そして生まれつきの病気で症状がある場合などは、高次機能障害とは診断されません。

障害の特徴と概要

記憶障害

高次脳機能障害の症状の1つに記憶障害があります。高次機能障害の記憶障害には、前向性の健忘と、逆向性の健忘の2種類があります。 前向性の健忘は、脳の怪我や病気になってからの記憶が障害され、新しい情報や物事に関連した話題について覚えることができません。

逆向性の健忘は、脳の怪我や病気になる前のエピソードや体験したことに対する記憶に障害を受けます。そのことについて尋ねると、抜け落ちた記憶を無理矢理つなげるため、話を作り出す傾向(作話)にあり、このような症状がある場合は、家族や友人などの関係者に事実を確認することが大切です。

記憶障害は、重症度によりその程度は異なります。軽症であれば、最近の出来事や複雑な物事でも部分的に覚えることができ、日常生活にあまり支障をきたしません。中等度になると、昔の記憶や自分が体験して習ったことなどは覚えていますが、最近のことや複雑なことに関する記憶は覚えていません。重度となると、前向性の健忘と逆向性の健忘の両方を含む全健忘となり、ほとんどの記憶が障害されます。

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注意障害

高次機能障害の症状である注意障害には、全般性注意障害と半側空間無視とがあります。

全般性注意障害は、なにかを行っている際に、音や動きなど他の刺激により、そちらのほうに気が向いてしまい、集中できない状態のことで、多くの場合、15分以上集中力が持ちません。

半側空間無視は、脳の損傷とは反対側を見落とすという行動のことで、多くの場合右の頭頂葉を損傷したときに左側の半側空間無視としてでることがあります。半側空間無視がある場合、食事の際に左側だけ残したり、歩いているときに左側だけぶつかったりするようなケースがあるのです。

軽度の症状の場合には日常生活動作で時折半側空間無視がある程度です。中程度になると常に無視がみられますが、周りの人が注意を促せば、本人はそれに気がつき無視している側をみることができます。これが重度になると、身体全体が右側に向いてしまい、注意を促しても左側をみることができなくなるのです。

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行為障害

高次機能障害による行動障害は多岐にわたりますが、大きく分けると遂行機能障害と社会的行動障害があります。遂行機能障害は、自分の目的を成し遂げるためにはどうしたらよいかを計画することが出来ず、成り行き任せになり、思いつきの行動をとってしまうのです。また、同じ失敗を繰り返してしまうなど、自分の行動を修正することができなくなり、社会的に適切ではない行動をとってしまうケースがあります。

社会的行動障害として、感情のコントロールが出来なくなる情動コントロールの障害があり、少しでもイライラしてしまうと、それをおさえることが出来ず感情を爆発させてしまうのです。入院中には、医療者や家族に暴力をふるうこともあります。また会話や指示の内容が理解出来ず、仕事でミスを繰り返してしまうのです。中には、意欲の低下が生じ、動けるのにもかかわらず一日中寝ていることもあり、物事に対して依存したり固執したりする場合もあります。

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